anehako’s diary

ノート代わりの下手な駄文を書き連ねています。書き替えも頻りで、

酔言 20

酔言 20

 憲法16条に認められているいわゆる「請願権」を私たちはどれだけ認識しているだろうか? 検察・警察に犯罪の捜査を訴えることができる「告発」や、公権力の行使の適法性などを争い、その取消し・変更などを求める行政訴訟とともに、国や地方公共団体に対して請願法に基づき、個人の意見や要望、苦情を誰もが言えるのである。

 これは私は憲法が定める選挙権の行使のように、やり方次第では私たち政治参加の大きな武器になりうるものと思われる。そして、市民運動の一環として、実際にこの「請願権」で行政に意思表示をし、また成果を上げている小野、甲斐氏の両人を中心とする、武蔵小金井で行われた勉強会に参加した。

 おそらく、少しの勇気と情熱さえあれば、駅前の一人街頭演説と同じように、皆が反対し異なる意見によってたった一人に追いやられても、自分の意見や訴えを議員の紹介というハードルはあるが、行政を媒介として、多人数に表現できる積極的手段となりうるかもしれない。そこが元より多数者を必要とする政治集会やデモとは違うところだろう。これは何人も理由なく表現の自由を奪われることはなく、政治に参加できる民主主義の原点とも考えられる。

 それでも、私がもっとも感動したのは、なんとか今の政治を、あるいはこの社会を良くして行こうとする一般市民の人たちが、野心や功名心とはまったく関係なく、こうしてテーブルを囲んで夜遅くまで熱心に、とくに地方自治体に対する「請願権」の議論に参加しているということだった。草の根のように政治に、自分の住んでいるコミュニティに少しでも関わろうと意志ある人たちが、当然ながら私の見えないところにたくさんいるのだ。しかも半分が女性であった。こうしたことはよほどすばらしいことに違いない。

f:id:anehako:20230827084522j:image