anehako’s diary

ノート代わりの下手な駄文を書き連ねています。書き替えも頻りで、

2023-12-01から1ヶ月間の記事一覧

酔言 29

酔言 29 父が死んだ直後のことです。遺体はまだ実家の床にありました。枕元の文机に置いた遺影が線香の煙にくすぶるとき、その魂のようなものが小さな子供の姿になって、きゃっきゃとはしゃぎながら、ほんのりとした薄明るさの中で、もちろんそれは私の心の…

酔言 28

酔言 28 人間関係とはたしかに難しい。しかし、他人と比べて私自身はそれほど人間関係に悩んだことがないと断言できる。おそらくそれは私が他人を羨んだり、攻撃することに縁のない人間であったせいなのか、他人に何かを求めることに非常にナイーブなのか、…

ガードマン

ガードマン (13) 職場の連中を眺めたって、警備員をやりたくてこの世界に入ってきた奴は一人もいないにきまっている。興味津々、我が身のときめくものに誘われて、あるいは他人にそそのかされてここに流れてきたわけでもなく、皆、なんとなくその場しのぎに…