anehako’s diary

ノート代わりの下手な駄文を書き連ねています。書き替えも頻りで、

ガードマン (2)

頭で考えること、そうした努力は私の生活に不透明さを増すばかりで、何の役にも立ちそうに思えなかった。それに警備員の制服が、したり顔した私自身の脆弱な内密を世間から免罪符のように守ってくれた。私は繭の中の幼虫のように、好きなまま糸を吐いて繭ごもりができそうだった。もっとも繭の外には、そう、まだ見ぬありうべき危険の花ざかりの唯中に、押し込められていたことは確かだった。
 
 独直の深夜、冷たいコンクリートの建物に閉じ込められて、私は身じろぎもせず警備室の壁を見つめていた。深夜の誰もいなくなったビルの重みが、地下にあるこの警備室の四方の壁から押し寄せていた。息苦しかった。しかし、それは見知らぬ危険な花々に私が取り囲まれていたせいでもあった。